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この出会いは…
第9章 彼の家族
『20秒前!!!』
思わず隣に座る一ノ瀬さんの袖口を掴んでいた。
一ノ瀬さんの手がピクッと動いて、そのまま手を握ってくれた。
『10秒前!!!…8、7、6…』
さん、に、いち…
『ハッピーニューイヤー!!!!』
パン!パン!パン!
TVの中をキラキラの紙吹雪が舞っている。
「明けましておめでとう、知花ちゃん。」
耳元で小さくそう言われて、息が当たった耳が真っ赤になっていくのが分かる。
繋いだままの手も熱い。
「おっ、おめでとうございます。今年も…よろしく、お願い、しっ、します。」
手をぎゅっと握られて、『うん。こちらこそ、よろしくね?』なんて爽やかに笑って言われたら、さらに顔が熱くなる。
その後は、ビールで簡単に乾杯して、みんなで新年を祝った。
初詣に行くために、早々にお開きになり、みんなそれぞれの部屋に戻って行った。
みんなに挨拶をしていて、ハッと気が付いた。
そう言えば、私…
「あのっ…、私、どちらで…寝れば…」
「あらっ、知花ちゃん、祐の部屋じゃダメかしら?てっきりそのつもりで…」
一ノ瀬さんに投げ掛けたはずの質問は、お母さんにばっちり聞かれてしまい、ダメですなんて言えない。
「母さん、客用布団あったよね?それ、俺の部屋に敷くわ。」
「あ、いや、今からそれは…申し訳ないので…私、大丈夫です。」
床とかでも、たぶん、平気…
一ノ瀬さんが一瞬驚いた様な顔をして『遠慮しないで?』と言ってくれたけれど、わざわざ布団を出してもらうのは気が引ける。
思わず隣に座る一ノ瀬さんの袖口を掴んでいた。
一ノ瀬さんの手がピクッと動いて、そのまま手を握ってくれた。
『10秒前!!!…8、7、6…』
さん、に、いち…
『ハッピーニューイヤー!!!!』
パン!パン!パン!
TVの中をキラキラの紙吹雪が舞っている。
「明けましておめでとう、知花ちゃん。」
耳元で小さくそう言われて、息が当たった耳が真っ赤になっていくのが分かる。
繋いだままの手も熱い。
「おっ、おめでとうございます。今年も…よろしく、お願い、しっ、します。」
手をぎゅっと握られて、『うん。こちらこそ、よろしくね?』なんて爽やかに笑って言われたら、さらに顔が熱くなる。
その後は、ビールで簡単に乾杯して、みんなで新年を祝った。
初詣に行くために、早々にお開きになり、みんなそれぞれの部屋に戻って行った。
みんなに挨拶をしていて、ハッと気が付いた。
そう言えば、私…
「あのっ…、私、どちらで…寝れば…」
「あらっ、知花ちゃん、祐の部屋じゃダメかしら?てっきりそのつもりで…」
一ノ瀬さんに投げ掛けたはずの質問は、お母さんにばっちり聞かれてしまい、ダメですなんて言えない。
「母さん、客用布団あったよね?それ、俺の部屋に敷くわ。」
「あ、いや、今からそれは…申し訳ないので…私、大丈夫です。」
床とかでも、たぶん、平気…
一ノ瀬さんが一瞬驚いた様な顔をして『遠慮しないで?』と言ってくれたけれど、わざわざ布団を出してもらうのは気が引ける。