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この出会いは…
第10章 乗り越えたいモノ
再開された胸への刺激にピクッと答えた私の身体をふふっと笑う。
身体が固まって上手く動かせないはずなのに、胸の頂を摘ままれると勝手に身体が反り返ってしまう。

「んっ!…ふぅっ…」

胸の谷間、ちょうど心臓のあたりにキスをされて、思わず声が出てしまった。
一ノ瀬さんの首に回していた右手を、慌てて口に持っていって塞ぐと、一ノ瀬さんが口を開いた。

「声、聞かせてほしいんだけどな?」

首を横に振って『ダメだ』と伝えると、一ノ瀬さんがフッと微笑んだ。
そして、そのまま、また私の胸に顔を埋める。

「いいよ。後でたくさん聞くから。」

そう言うと同時に、さっきよりも激しく胸を触れられて、もう片方は口に含まれた。

「あっ!いっ、ちのっ、せさ…んんっ!」

掴まれるように揉まれて、指の間で硬く主張を始めた頂も刺激される。
普通だったら痛いはずの触り方なのにっ。
なぜか背中が浮いてしまう。

何これ、この感覚が分からない…

止まらない動きに自分の身体が喜んでいるのか、拒絶しているのか分からない。
この身体の震えは何っ!?

「んっ…あぁっ!…きゃっ……う…」

勝手に漏れるこの声は何っ!?
身体の震えを伴うぞくぞくする感覚が怖くなって、一ノ瀬さんを抱き締めた。
でも、それは、自分の胸に一ノ瀬さんを押し付けた形になって、さらにぞくぞくするだけだった。
私の変化に気付いたのか、一ノ瀬さんが顔を上げて、私を見上げている。

「…大丈夫?嫌な時はちゃんと言って?」

起き上がって、至近距離で見つめられて、目が泳ぐ。
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