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この出会いは…
第10章 乗り越えたいモノ
「私も同じ様に、一ノ瀬さんが大事だし、必要なんです。わっ、私の全部…預けてもいいって思えるくらい信頼しています。」
胸がきゅうっと締め付けられて苦しくて、見つめている一ノ瀬さんの顔が滲んでくる。
「だから、私はっ…一ノ瀬さんに、こっ、答えたいんです。全部、受け入れたい…んですっ。」
一ノ瀬さんが私の目尻から伝う涙を拭って、顔を近付けた。
鼻が触れる距離にいても、視界は滲んだままではっきりしない。
「こ、こういう事に、トラウマは…あり、ます…。身体が震えるのも…きっと、こういう事の記憶が、あの時から止まっている、ので…あの記憶が払拭されない限り…ダメ、なんです。」
自分で涙を拭って、はっきりと一ノ瀬さんを見つめた。
「私はっ、こういう事が…幸せな事なんだって、一ノ瀬さんに教えてもらいたいんです。早くあんな過去を払拭して、忘れて、一ノ瀬さんと幸せになりたいって思えるようになったから…」
両手で一ノ瀬さんの頬を包むと、一ノ瀬さんがピクッと動く。
「それじゃダメ…ですか…?」
一ノ瀬さんの目が一瞬見開いて、直後に腕の中に閉じ込められた。
私の首元に顔を埋めて、きつく抱き締めてくれている。
「ダメなわけ…ない。」
絞り出すような、震えたような声が聞こえてきた。
「辛い事全部、話してくれてありがとう。ホントに…俺は知花ちゃんと出会えて良かった。あの時から…今日まで、ちゃんと…生きていてくれて良かったよ。」
「一ノ瀬さん…」
「俺を信頼してくれて、受け入れたいって思ってくれているって、すごく嬉しい。」
胸がきゅうっと締め付けられて苦しくて、見つめている一ノ瀬さんの顔が滲んでくる。
「だから、私はっ…一ノ瀬さんに、こっ、答えたいんです。全部、受け入れたい…んですっ。」
一ノ瀬さんが私の目尻から伝う涙を拭って、顔を近付けた。
鼻が触れる距離にいても、視界は滲んだままではっきりしない。
「こ、こういう事に、トラウマは…あり、ます…。身体が震えるのも…きっと、こういう事の記憶が、あの時から止まっている、ので…あの記憶が払拭されない限り…ダメ、なんです。」
自分で涙を拭って、はっきりと一ノ瀬さんを見つめた。
「私はっ、こういう事が…幸せな事なんだって、一ノ瀬さんに教えてもらいたいんです。早くあんな過去を払拭して、忘れて、一ノ瀬さんと幸せになりたいって思えるようになったから…」
両手で一ノ瀬さんの頬を包むと、一ノ瀬さんがピクッと動く。
「それじゃダメ…ですか…?」
一ノ瀬さんの目が一瞬見開いて、直後に腕の中に閉じ込められた。
私の首元に顔を埋めて、きつく抱き締めてくれている。
「ダメなわけ…ない。」
絞り出すような、震えたような声が聞こえてきた。
「辛い事全部、話してくれてありがとう。ホントに…俺は知花ちゃんと出会えて良かった。あの時から…今日まで、ちゃんと…生きていてくれて良かったよ。」
「一ノ瀬さん…」
「俺を信頼してくれて、受け入れたいって思ってくれているって、すごく嬉しい。」