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この出会いは…
第10章 乗り越えたいモノ
「誤解させるような言い方をして、すみません。違うんです…私の問題なんです…」

一ノ瀬さんの胸に顔を埋めながら謝る。

「私がっ、変…なだけで…」

あんな顔させるつもりじゃなかったのに…

「ごめんなさい…」

「……変って、どういう事?」

今度は深刻な顔をした一ノ瀬さんに、顔を近づけて見つめられた。

「そのっ、さっきから、キス…したり、ぎゅってしたり、こういう事、を…してると…く、苦しくて…」

「……苦しい?」

「はい…。頭がぼーっとして、身体が熱くて…わっ、私、さっきから何か、変っ、なんです…」

私の言葉にピクッと反応した一ノ瀬さん。
不安そうに私を探るように上から見下ろしていた顔から一転、驚いたように目を見開いて、ふわりと笑った。
その微笑みにも胸がサワサワする。

「一緒にいるとっ、安心できて、落ち着けて…ずっとこうしてたいなって思うんですけどっ…。なんっ、か、最近…変っ、で…」

「…最近ずっとそんな感じになるの?」

「はい。私、どうしちゃったんだろうって…」

一ノ瀬さんは、話し続ける私の頭を優しく撫でながら相槌を打つ。

「ふふふっ。そっか……」

柔らかい笑い声が頭の上から降ってきた。

あれ、一ノ瀬さん…
嬉しそう。
と、いうより楽しそう?

「今もまだ苦しい?大丈夫?」

「はい…ぎゅってしてても、キスをしてても、身体がすぐ熱くなるんです…」
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