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この出会いは…
第10章 乗り越えたいモノ
祐side↓

くたりと力の抜けた知花ちゃんを抱き締めた。
まだ息が荒く、身体も小さく痙攣している。

正直――…
ホントに、この先に進んでしまっていいのかと、不安が残っている。
知花ちゃんが震えながら、過呼吸気味になりながら、話してくれた話の内容が、あまりにも衝撃的だったから。
何て声を掛けてあげればいいのか、どういう顔をすればいいのかも分からなかった。
ただ、心臓がギリギリと掴まれているように痛くて、苦しくて、呼吸をするだけで精いっぱいだった。
当時の知花ちゃんは、抵抗を諦めて、絶望の中でじっと耐えていたんだ。
呼吸をするのも諦めたくなるような絶望の中で。

俺に欲情していると言ってくれたけれど、ホントに大丈夫なのだろうか――…

痙攣が収まってボーッとする知花ちゃんの頭に触れて、髪を鋤くように撫でた。
その俺の動作に少しはにかんで、両手を俺に伸ばしてきた知花ちゃん。

「一ノ瀬さん。大丈夫ですから、この先を…続きを……」

俺に抱き付きながら、そんな事を言う。
あぁ、やっぱり知花ちゃんは分かっていない。
俺が腹の中で何を思っているのか。
その言葉で、残っていた不安だけでなく、理性も吹き飛ばしてしまうということも。

一つ深く息を吐いて、気持ちを落ち着かせる。

「指、入れるよ?」

今度はちゃんと聞いてから。
知花ちゃんが頷いたのを確認して、潤い始めている蜜口に中指をあてがった。

やっぱり少し身体が強ばったように感じる。
耳をかぷりと口に含んで、耳たぶを甘噛みしたり、舌先でつついたりして、身体から力が抜けるのを待った。

祐side 終わり
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