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この出会いは…
第11章 繋がる
「まだ、俺を見てて…」

少し掠れた声でそう言って、また唇が重なってリップ音が響き始める。
ずっと、目を合わせたままのキス。
軽く啄む様なキスから、長く舌を絡め取られる様なキスまで。

視界には祐さんしか入らない。

時々眉根を寄せて、吐息を漏らす祐さん。
でも、直ぐに私の視線を捕らえて、ふわりと優しく笑う。
全てを間近で見ていると、自分でも気付かない内に、思考が目の前の祐さんの事で埋まっていた。

「知花ちゃん…」

切なくなる様な表情で、私を呼ぶ。
そして、ふわりと微笑む。
それから、唇を合わせる。
それを、視線を外さずに繰り返す。

「ち、かちゃん…」

「んっ…」

リップ音と、お互いの息遣い。
後は自分の鼓動だけ。
それ以外は耳に入ってこない。

頭が沸騰しそうに熱い…

「ち、かっ、ちゃ…」

私を呼ぶ声に混じる吐息も、だんだんと増える。
ずっとこの様子を見続けるなんて…

身体の奥がきゅうっとして、胸が締め付けられる。
鼓動もドクンドクンと耳なりの様に響く。
身体に溜まる熱の逃げ場がない。

「はぁっ、祐さ……」

思考が祐さんだけで埋まって…
もう、私、ホントに…頭が、変かも…

「っ、はっ……、知花ちゃん。」

顔に巻き付いている祐さんの腕に、ふいに力が入って、きつく抱き締められた。

「はぁっ…、頑張ったね。全部、入った…」

上から聞こえた言葉にハッと我に反った。
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