この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
この出会いは…
第2章 いい兆し
男の手を捻り上げて立っていたのは、一ノ瀬さんだった。

「マジでいい加減にしてくれる?」

冷酷な顔をして、怒りを含んだような声で話す一ノ瀬さんにも身体が固まった。
そんな姿、見たことがなかったから。

「いったたっ!なんだよ、てめぇ!いきなり現れて!いってぇよ、離せよっオラァ!」

男の怒号が恐い!
一ノ瀬さんの顔も恐い!
恐い恐い恐い!!!

「はい、おしまい。こんな大通りで騒ぎを起こさないの。」

滝本さんが笑いながら一ノ瀬さんと男の間に入った。

「お前、顔怖すぎ。知花ちゃんビビってんぞ?」

滝本さんに指摘されて、我に返った一ノ瀬さんが『ごめん』と謝って来たので、慌てて首を横に振った。

「てめぇら、マジでなんなんだよ!」

男たちの怒号にまた身体が固まる。

「悪いけど、この子たちとこれから飲みに行くの、俺らなの。だから、もう諦めてくれる?」

滝本さんがにこにこと笑いながら、いや、目は笑ってないけど、男たちを嗜めた。
まだ、不服そうな男たちに今度は星さんが続けた。

「まだ、なんかあるなら、近くの交番でも行く?一部始終を録画した俺のスマホと一緒に。」

星さんの笑顔も相当恐い。
"録画"という言葉に腰が引けたのか、男たちは舌打ちをして、雑踏の中に消えていった。
安堵感が押し寄せて、その雑踏をボーッと眺めていた。

「ごめんね、遅くなって。三人とも平気?」

滝本さんに聞かれて我に返った。

「知花?」

『平気?』と美怜が私の顔を覗き込んだ。

「うん。平気だよ。」

努めて明るく返事をして、みんなに気付かれないように深呼吸を繰り返して、動悸を治めようとした。
/459ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ