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この出会いは…
第2章 いい兆し
「ゆっくりで、いいよ。歩けそう?」
誰にも聞かれないような小さな声で、一ノ瀬さんが囁くように言った。
いつもの優しい声や表情の一ノ瀬さんに戻っていて安心した。
「だ、いじょぶ、です。」
再び歩き出したみんなを、後ろから追いかける。
隣には一ノ瀬さん。
「あの…ありがとうございました。」
「いや、なんともなくて良かった…あ、違うか、ちょっと遅かったね、ごめん。」
「いえ!あの、先日といい、今日といい…何て言うか…その、すみません。」
謝った私に、一ノ瀬さんは『なんでまた謝るの』と笑った。
一ノ瀬さんにはホントに見られたくないところばかり見られてるな。
歩き出した所からお店までは思いの外近く、すぐにお店について席に通された。
ビールで乾杯して、"お食事会"がスタートした。
左から滝本さん、琴莉、一ノ瀬さん。
それぞれの向かい側に星さん、美怜、私が座った。
この席順は美怜が上手ーく促した配置だ。
「あの…星さん、ホントにあの時一部始終見てたんですか?」
美怜が乾杯が終わってすぐに口を開いた。
「あぁ、あれはハッタリ。さすがにそんな余裕はなかったよ。」
「じゃ、どのあたりで私たちに気付いたんですか?」
美怜…、星さんに取り乱した姿を見られていたかどうか、そんなに気になる?
私は少し笑えてきてしまった。
「それは〜、佐々木の『もらい事故はいやなので!』でだな!」
あっはっは、と滝本さんが笑って説明する。
「もらい事故でピンときた!」
「滝本さん!!」
思い出して笑いの止まらない滝本さんに琴莉が怒る。
いつもの先輩後輩のテンポのいいやり取りを私はずっと聞いていた。
誰にも聞かれないような小さな声で、一ノ瀬さんが囁くように言った。
いつもの優しい声や表情の一ノ瀬さんに戻っていて安心した。
「だ、いじょぶ、です。」
再び歩き出したみんなを、後ろから追いかける。
隣には一ノ瀬さん。
「あの…ありがとうございました。」
「いや、なんともなくて良かった…あ、違うか、ちょっと遅かったね、ごめん。」
「いえ!あの、先日といい、今日といい…何て言うか…その、すみません。」
謝った私に、一ノ瀬さんは『なんでまた謝るの』と笑った。
一ノ瀬さんにはホントに見られたくないところばかり見られてるな。
歩き出した所からお店までは思いの外近く、すぐにお店について席に通された。
ビールで乾杯して、"お食事会"がスタートした。
左から滝本さん、琴莉、一ノ瀬さん。
それぞれの向かい側に星さん、美怜、私が座った。
この席順は美怜が上手ーく促した配置だ。
「あの…星さん、ホントにあの時一部始終見てたんですか?」
美怜が乾杯が終わってすぐに口を開いた。
「あぁ、あれはハッタリ。さすがにそんな余裕はなかったよ。」
「じゃ、どのあたりで私たちに気付いたんですか?」
美怜…、星さんに取り乱した姿を見られていたかどうか、そんなに気になる?
私は少し笑えてきてしまった。
「それは〜、佐々木の『もらい事故はいやなので!』でだな!」
あっはっは、と滝本さんが笑って説明する。
「もらい事故でピンときた!」
「滝本さん!!」
思い出して笑いの止まらない滝本さんに琴莉が怒る。
いつもの先輩後輩のテンポのいいやり取りを私はずっと聞いていた。