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第11章 繋がる

「しっ、ます…よ…？」

「ふふっ、どうぞ？」

笑って目を瞑った一ノ瀬さんを見て、深呼吸をした。
心臓が飛び出そうなほど跳ねていて、痛いくらい。

震える唇をなんとか重ねて、ちゅっ、ちゅっと角度を変えてキスをする。
その後は――…同じように。
上唇を軽く含んで、次に舌で歯列を辿って、開いてくれた隙間から舌を滑り込ます。

一ノ瀬さんの舌を見つけても、いつものように絡ませてくれない。
私の出方を待っている。

一ノ瀬さんの舌の下に自分の舌を滑り込ませて、絡ませてみる。
優しくつついたり、吸ったり。
今までのキスを思い出しながら、してもらったように、真似をした。

「ふぅっ、んっ…んっ…ぁ……」

自分からしていても、漏れる吐息は甘い。
自分からしていても、こんなに気持ちいい…
自分からしていても、頭がぼーっとしてくる。

頬を包んでいる右手に、一ノ瀬さんの左手が重ねられたと思っていたら、後頭部に回された右手にグイッと頭を固定させられて、キスが深くなる。

「んんーっ、んっ…ひゃっ、ん…」

頬や耳を触られて、吐息に矯声が混じる。
いつの間にか、一ノ瀬さん主導のキスに変わっていて、答えるのに精いっぱいになる。
舌だけではなく、身体全体が痺れてくる。

あぁ、やっぱり…
される側になってしまうと、こんなに簡単に身体の自由を奪われてしまう。
身体が支えきれなくて、一ノ瀬さんの首に腕を回して、寄りかかる様な態勢になり、唇が離れた。