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この出会いは…
第12章 誕生日
祐side↓

「あ、一ノ瀬さーん!」

社食に来てすぐ、名前を呼ばれた。
声のした方を振り返ると、美怜ちゃんと琴莉ちゃんが俺に手を振っていた。
二人の座る席へ歩いて行くと、ランチセットを運んでくる星もやって来た。

「お疲れ様。知花ちゃんは?まだ来てないの?」

「知花ならもう戻りました。今日は午後から外出するんですって。」

俺の問いに美怜ちゃんが答える。

「イベントとかの関係先を回るみたいです。」

「広報も外回りか。大変だな。」

「経理部も外回りってあるんですか?」

「銀行回りくらいかな。」

星と美怜ちゃんの会話を聞きながら、知花ちゃんが外回りをする姿を想像していた。
ふふっ、テンパッたり、真っ赤になったりしているんだろうな…

「そう言えば、一ノ瀬さん。ホワイトデーは何かするんですか?」

琴莉ちゃんの唐突な質問に我に返った。

「あ、まだ…何にも決めてない、かな。バレンタイン以降、予定が合わなくて。」

「まぁ、忙しいですもんね。」

「ところで、一ノ瀬さん。知花の誕生日って知ってます?」

今度は美怜ちゃんからの唐突な質問が来た。

「ちょっと、美怜!それはダメでしょ。」

「琴莉が"知花は言わない子"だって言ったんでしょうがっ!」

「あれだけ自分から言えって言ってたのは美怜でしょ!」

「でも、直前に知るよりいいでしょう!」

美怜ちゃんと琴莉ちゃんのやり取りにポカンとしてしまった。
あれ、俺、質問されていなかったっけ?
いや、そうじゃなくて…
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