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この出会いは…
第12章 誕生日
一泊旅行って、お泊まり…だよね?
泊まるって事は、寝るのは…一緒?

まっ、また………とか、するのかな…
どうしよう。
バレンタインデーの日の事を思い出して、一気に体温が上がった。

一ノ瀬さんと初めて…そういう事をした日。
初めて気持ちいいと感じて、初めて…イくって事を知った。
自分で自分の身体をコントロール出来なくて、何度身体が仰け反ったのか覚えていない。

くっ、口で…舌でされたり、気絶したり…
初めての事ばかりで、今でも思い出すと恥ずかしくて死にそうになる。
自分がどんな醜態を晒したのか、気になってしょうがないのに、そんな事は絶対に聞けない。

ただただ、強烈に気持ちよかった。

痛いとか怖いなんて感じる暇がないくらい、優しく、丁寧にしてくれた。
幸せで、嬉しくて、胸が苦しくて泣きたくなる感情も初めて知った。
あんなに甘くて、温かいものだったなんて。
私は、愛される悦びや幸せを知ってしまった。

たった一度のエッチで、私は、あらゆるものを変えられてしまった気がする。
エッチに対する考え方…とかそういう事だけではなくて。
恋愛そのものの考え方とか。
価値観とか。
トラウマなんて…なくなってしまった。

学生の頃に友達が話していた赤裸々な恋バナを思い出すな…
『今のカレは上手いの!』
『元カレとのセックスに慣れてるから物足りない』
『相性って大事だよね~』
高校生の当時は、苦笑いで話を合わせるくらいだったし、大学に入ってからは…そういう事に嫌悪感しかなかった。
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