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この出会いは…
第12章 誕生日
「晩ごはんは18時半からだし、先に温泉に入る?」

スタッフの方が部屋を出て行ったと同時に一ノ瀬さんが口を開いた。

「あっ、はい。」

温泉…
あっ!!!
この目の前の…きゃ、客室風呂のヤツに入るって事かなっ?
えっと…、脱衣所はともかく、お風呂自体は丸見えだよね?
これに入るの?
あっ!!!
まさか、一緒にっ!!!???
違うよね?違うよねっ??

「えっと、あの…」

「知花ちゃん、考えてること顔に出すぎ。あはは、面白い。」

か、からかわれたっ!
でも、だって、どういう意味で言ったのか分からないんだもん!

「ここのお風呂入っていいよ。俺は大浴場の方に行って来るから。」

一ノ瀬さんは微笑んでいるけれど、私の頭の中を見透かされたようで恥ずかしい。
そりゃ、大浴場もあるよね。

「あ、私が大浴場に行きますよ?せっかくなので、ここの一番風呂は一ノ瀬さんがどうぞ?」

運転もしてくれたし、疲れてるだろうし。

「ふふっ、じゃあ、一緒に入る?」

「っ…!?」

「あっはっはっ。予想以上のテンパり方!」

声にならない声を出して、見る見るうちに真っ赤になったであろう私を見て、一ノ瀬さんが身体を揺らして笑う。

「知花ちゃん、面白すぎ。もう、大浴場に行く気なくなった。一緒に入ろ?」

「ほっ、ホントに、ホントにっ、本気、ですか?」

「うん。本気。」

う、嘘でしょ…?
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