この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この出会いは…
第12章 誕生日
「寒っ…」
少し肩をすくめて、自分で自分を抱き締めるように腕を回して縮こまる。
あれこれテンパって身体が火照っていたけれど、3月中旬の夜風はやっぱり冷たかった。
チラッと室内に目をやると、二つの敷き布団がピッタリとくっついて敷かれていて、また体温が上がってしまう。
今までだって一緒のベットで寝た事があるのに。
自分のテンパり具合に呆れてしまう。
「はぁ…、考えないようにしよう…」
目の前の露天風呂に手を入れてみると、冷たい指先がじーんとした。
少しだけ浸かりたい衝動に駆られて、浴衣の裾を捲り上げて、露天風呂の濡れていない縁の部分に腰を下ろした。
「あったかい…」
冷たい夜風に当たりながら、足湯をしている状態。
見上げれば空にはいくつか星が見える。
贅沢だな…
私、こんなにしてもらっていいんだろうか。
一ノ瀬さんが見返りを求めてくる人ではないことは分かっている。
でも、それでも、私は何をしてあげられるだろう。
何が出来るだろう。
こういう時に何も思い付かなくて、何も出来ない自分がホントにイヤだ。
「……こ、わい…」
怖くなってきた。
私、このままで大丈夫かな…
いつか、飽きられてしまわない…?
こんな幸せを知ってしまって、もう一ノ瀬さんがいないと笑っていられない。
大切な人が出来る事って、こんなに…
怖い━━━━━
再び自分自身を抱き締めるように腕を回して、軽く身震いをした。
「…何が怖いの?」
背後から掛けられた言葉に身体が固まった。
少し肩をすくめて、自分で自分を抱き締めるように腕を回して縮こまる。
あれこれテンパって身体が火照っていたけれど、3月中旬の夜風はやっぱり冷たかった。
チラッと室内に目をやると、二つの敷き布団がピッタリとくっついて敷かれていて、また体温が上がってしまう。
今までだって一緒のベットで寝た事があるのに。
自分のテンパり具合に呆れてしまう。
「はぁ…、考えないようにしよう…」
目の前の露天風呂に手を入れてみると、冷たい指先がじーんとした。
少しだけ浸かりたい衝動に駆られて、浴衣の裾を捲り上げて、露天風呂の濡れていない縁の部分に腰を下ろした。
「あったかい…」
冷たい夜風に当たりながら、足湯をしている状態。
見上げれば空にはいくつか星が見える。
贅沢だな…
私、こんなにしてもらっていいんだろうか。
一ノ瀬さんが見返りを求めてくる人ではないことは分かっている。
でも、それでも、私は何をしてあげられるだろう。
何が出来るだろう。
こういう時に何も思い付かなくて、何も出来ない自分がホントにイヤだ。
「……こ、わい…」
怖くなってきた。
私、このままで大丈夫かな…
いつか、飽きられてしまわない…?
こんな幸せを知ってしまって、もう一ノ瀬さんがいないと笑っていられない。
大切な人が出来る事って、こんなに…
怖い━━━━━
再び自分自身を抱き締めるように腕を回して、軽く身震いをした。
「…何が怖いの?」
背後から掛けられた言葉に身体が固まった。