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この出会いは…
第12章 誕生日
祐side↓
旅館のスタッフが布団を敷きに来たとたんにテンパり始める知花ちゃん。
いよいよ堪えきれなくなったのか、露天風呂へ逃げていってしまった。
ははは、ホントに慣れてないんだな。
俺としては、いちいちかわいくて堪らないけれど…
知花ちゃんからしたらキャパオーバーなんだろう。
今日一日、テンパる知花ちゃんしか見ていない。
露天風呂に手を浸けて微笑む顔は、緊張から解放されたソレだ。
布団を敷き終えたスタッフの方が、挨拶をして部屋を出ていくと、TVから聞こえてくる声がやけに空しく響く。
TVを消して、内風呂や露天風呂が見渡せるように配置されたテーブルスペースに座って、知花ちゃんをしばらく眺めていた。
浴衣の裾を捲って、足湯を始めて、空を仰いでふわりと笑ったところまでは良かった。
けれど、そこからは何か考え事をしているような、思い詰めた表情になってきて、ついには俯いて表情が見えなくなってしまった。
気付くと、立ち上がって歩き出していた。
考えるよりも先に身体が動いていた。
内風呂を抜けて、露天風呂へと続く戸にそっと手を掛けた。
小さく肩をすくめた背中に近付くと、ため息をつく仕草に気付く。
どうしたの?
何かあったの?
そう聞こうとした時、知花ちゃんが呟いた。
「…こ、わい……」
小さく小さく吐き出されたその呟き。
"怖い"となんとか聞き取れた。
「…何が怖いの?」
俺の声にビクッと身体を震わせて、知花ちゃんが固まった。
旅館のスタッフが布団を敷きに来たとたんにテンパり始める知花ちゃん。
いよいよ堪えきれなくなったのか、露天風呂へ逃げていってしまった。
ははは、ホントに慣れてないんだな。
俺としては、いちいちかわいくて堪らないけれど…
知花ちゃんからしたらキャパオーバーなんだろう。
今日一日、テンパる知花ちゃんしか見ていない。
露天風呂に手を浸けて微笑む顔は、緊張から解放されたソレだ。
布団を敷き終えたスタッフの方が、挨拶をして部屋を出ていくと、TVから聞こえてくる声がやけに空しく響く。
TVを消して、内風呂や露天風呂が見渡せるように配置されたテーブルスペースに座って、知花ちゃんをしばらく眺めていた。
浴衣の裾を捲って、足湯を始めて、空を仰いでふわりと笑ったところまでは良かった。
けれど、そこからは何か考え事をしているような、思い詰めた表情になってきて、ついには俯いて表情が見えなくなってしまった。
気付くと、立ち上がって歩き出していた。
考えるよりも先に身体が動いていた。
内風呂を抜けて、露天風呂へと続く戸にそっと手を掛けた。
小さく肩をすくめた背中に近付くと、ため息をつく仕草に気付く。
どうしたの?
何かあったの?
そう聞こうとした時、知花ちゃんが呟いた。
「…こ、わい……」
小さく小さく吐き出されたその呟き。
"怖い"となんとか聞き取れた。
「…何が怖いの?」
俺の声にビクッと身体を震わせて、知花ちゃんが固まった。