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この出会いは…
第2章 いい兆し
帰り際に星さんが切り出したので、美怜のテンションが急激に下がっている。
そりゃこの時期、経理は超繁忙期だろう。
戻って確認しておかなければいけない業務があるんだろうな。

「ちょっと後輩に頼んだ処理の確認をね。」

やっぱり、今日も忙しかったんだ。

「今日はありがとうございました。期末で忙しいとは思いますが、身体に気をつけてくださいね。」

我が友達ながら、美怜は抜かりないな。
美怜の切り返しに関心をしてしまう。

「それなら、私も行きます。」

こ、琴莉?
まさかの星さん狙い!?

「明日の会議の資料、もう一度見直しておきたくなったんで。」

な、ワケないか…
琴莉はホントに仕事人間だな。

「星さんがちゃんと会社に向かうのか、確めといてあげる。」

琴莉が笑って美怜にそう呟いたのが聞こえた。
美怜、やっぱりバレバレですね。
『琴莉好き〜』なんて言って美怜が抱きついている。

「なぁ、明日の会議って、例の?だったら、俺も行くわ。」

滝本さんも加えた3人を見送って、私たちは駅に向かって歩き出した。
美怜と一ノ瀬さんと私って、なんか変な組み合わせだな。

「美怜、ごめんね。会社組に行きたかった?」

「いいの、今は知花が優先!」

あぁ、なんて私は幸せものなんだろう。

「まぁ、会社に戻る口実がなかったしね。」

なっ、そっちが本音か!
でも、美怜はホントに頼もしい。
私たちの会話を聞いていた一ノ瀬さんが吹き出すように笑った。

「あ、ごめん。美怜ちゃんてホントに面白いね。」
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