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この出会いは…
第2章 いい兆し
「まぁ、星は仕事人間だけど、いいヤツだから。」
美怜が驚いた顔をした。
そうだった、美怜!私のせいでバレてたんだった。
「ごめん。あの日、口が滑りました。」
潔く頭を下げたけど、『知花ー!』と両頬をつねられた。
痛い!痛いよ!!
「いや、その前からだよ?美怜ちゃん、分かりやすいんだもん。」
ククッと一ノ瀬さんが笑って指摘する。
まぁ、そうか…。
あの鈍感な琴莉でさえ気付いていたくらいだ。
美怜の鉄壁の外面も、星さんを前にしては完璧に繕えないなんて、美怜も可愛い。
「そうだ!あの日と言えば。一ノ瀬さん、知花の事、ホントにありがとうございました。」
唐突に話題を変えて、美怜が頭を下げている。
「美怜…」
「一ノ瀬さんが居てくださって、良かったです。」
「いや…俺は何にもしてないよ。逆に、車内で恥を…かかせてしまって…」
「いえ!知花一人だったら帰れてなかったかもしれません。」
トーンダウンした一ノ瀬さんに美怜が言葉を重ねた。
美怜の言うとおりだ。
あの日、一ノ瀬さんと乗り合わせていなかったら…
今更ながら、恐ろしい。
「ホントに私からも…ありがとうございました。」
美怜の言葉に一ノ瀬さんの表情が明るくなった。
私はというと、無意識のうちに視界が滲んでいた。
「なに、泣いてんのよ!」
「だって…美怜、ありがとう。一ノ瀬さんもありがとうございました。」
美怜に乱暴に涙を拭かれ、『行くよ』と腕を引っ張られて歩いた。
一ノ瀬さんもいつもの笑顔に戻っていて、安心した。
美怜が驚いた顔をした。
そうだった、美怜!私のせいでバレてたんだった。
「ごめん。あの日、口が滑りました。」
潔く頭を下げたけど、『知花ー!』と両頬をつねられた。
痛い!痛いよ!!
「いや、その前からだよ?美怜ちゃん、分かりやすいんだもん。」
ククッと一ノ瀬さんが笑って指摘する。
まぁ、そうか…。
あの鈍感な琴莉でさえ気付いていたくらいだ。
美怜の鉄壁の外面も、星さんを前にしては完璧に繕えないなんて、美怜も可愛い。
「そうだ!あの日と言えば。一ノ瀬さん、知花の事、ホントにありがとうございました。」
唐突に話題を変えて、美怜が頭を下げている。
「美怜…」
「一ノ瀬さんが居てくださって、良かったです。」
「いや…俺は何にもしてないよ。逆に、車内で恥を…かかせてしまって…」
「いえ!知花一人だったら帰れてなかったかもしれません。」
トーンダウンした一ノ瀬さんに美怜が言葉を重ねた。
美怜の言うとおりだ。
あの日、一ノ瀬さんと乗り合わせていなかったら…
今更ながら、恐ろしい。
「ホントに私からも…ありがとうございました。」
美怜の言葉に一ノ瀬さんの表情が明るくなった。
私はというと、無意識のうちに視界が滲んでいた。
「なに、泣いてんのよ!」
「だって…美怜、ありがとう。一ノ瀬さんもありがとうございました。」
美怜に乱暴に涙を拭かれ、『行くよ』と腕を引っ張られて歩いた。
一ノ瀬さんもいつもの笑顔に戻っていて、安心した。