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この出会いは…
第13章 かけがえのない人
反り返った身体をガクンと落とした知花ちゃん。
肩を上下させていた荒い呼吸が、だんだんと落ち着いてきて、そのまま静かな寝息に変わったのが分かる。

「はぁ━━━…っ…」

大きく息をついてから、身体を起こして、知花ちゃんのナカから俺自身を引き抜いた。
知花ちゃんはもう微動だにしない。
ゴムの処理をして、洗面所へ行く。
その足取りはさすがに少しふわふわした。

そりゃ、そうだ…
もう、学生でもないんだから…

ザーっと勢いよく出てきたお湯にタオルを浸す。

俺は…何をがっついているんだ…
止められないとかっ
ガキかよ…

タオルを絞って顔を上げ、洗面台の鏡に映る自分と対峙して、また一つ大きく息を吐いた。
布団に戻るとスヤスヤと寝息をたて始めている知花ちゃん。
その身体をタオルで拭きながら反省する。

無理させたよな…
ひと月前まではセックス自体を拒絶していたんだ。
過呼吸になって、震えて…

拭き終えて、知花ちゃんの隣に横になり、おでこに触れる。

乗り越える事が出来たんだろうか…
"あの事"を。
今日が大丈夫でも、またフラッシュバックしてしまうのだろうか…
その時、知花ちゃんはどうなるんだろう…

━━━同じ事を繰り返すのかな…

胸に燻る不安は今までに経験の無いもので、"その時"が来てみないときっと分からない。

それでもいい。
"その時"に俺を頼ってくれるなら。
俺が側にいられるなら。
俺はずっと知花ちゃんに寄り添って行く覚悟はある。

一度ぎゅっと抱き寄せて、荷物の中のプレゼントを取るために起き上がった。

祐side 終わり
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