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この出会いは…
第14章 奇跡的で必然な出逢い
フォークを拾って立ち上がった時には、祐さんがカウンターから顔を覗かせていた。

「大丈夫?」

「はっ、はい。うるさくしてすみません。」

「あはは、ケガしてないならいいよ。」

祐さんが笑った顔と目が合って、さらに顔が熱くなって、言葉が出ない。

「顔、紅いよ?」

肩を揺らしていた琴莉が限界を迎えて吹き出した。

「クククッ、テンパり過ぎ…あっはっはっ。もう無理!面白いー!!」

「見事に引っ掛かったわね。あはは、もうバレバレ!」

「なっ―…!カマかけた、のっ!!!」

信じられない。
完全に墓穴を掘った!!!

「一ノ瀬さん、おつまみ一品出来ましたので、どうぞ?」

「私たち、もうちょっと知花をからかってますので。」

「さっ…、さいっって――…!!!」

「あはは。大丈夫、かな?じゃあ、これ持ってくね。」

祐さんが苦笑いしながらキッチンを離れていく。
うぅ、置いていかないでください。
今のこの二人のところは地獄です。

「ふふふ、"卒業"おめでとう。」

「ホントにね。お赤飯レベルよ。」

「あっはっはっ。いいじゃん、明日お赤飯にしよ!」

「もうやだ…」

完全に美怜と琴莉にバレてしまった。
はぁ…
今日も絶対家に帰ったら質問責めだ…
でも――…

「…ありがとう。」

思わず二人に呟いていた。

「何…?いきなり"ありがとう"って。」

「そうよ。どうしたの?」
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