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この出会いは…
第2章 いい兆し
一ノ瀬さんは『大丈夫?』と、何度も確認してくれたけれど、私が『大丈夫』と繰り返して、納得してもらい、いつもの降りる駅で電車を降りて、帰って行った。
私と美怜も次の駅で降りて改札を通った。
実は、私たちは住んでいるアパートも同じだ。
大学時代から仲が良かった美怜とは、受けている会社も同じだと分かり、お互いに同じ会社に就職出来て、一人暮らしをする時は、一緒のアパートに住もうと約束していたのだ。
五階建ての築七年のアパート。
私が三階で、美怜が五階に住んでいる。
1Kだけど、駅から近くて気に入っている。
一人暮らしには充分だ。
「ねぇ、知花。知花って一ノ瀬さんとは会話、普通に出来るんだね。」
「え?」
「辿々しいのは、そうなんだけど。一生懸命話そうとしてる知花に、ちゃんと耳を傾けているというか、待ってるというか…なんとなく、見守ってるように見えた。」
待ってくれているのはなんとなく分かる。
でも、見守っているってどういう事?
「この前も、さっきも、知花にとって救世主でしょ?」
確かに、言葉の通り。
一ノ瀬さんの存在に救われてばかりだ。
「ごはんの前に、変なヤツらに絡まれたときも!」
アパートに着いて、エレベーターを呼ぶ。
「ピンチを察知して助けるって、相手の事をよく見てなきゃ出来ないことだからね!」
エレベーターに乗り込んで、3階と5階のボタンを押す。
「だから、見守られてるの!分かる?」
エレベーターが3階に着いてドアが開く。
「私、今なんかすごい嬉しいわ!」
「な、何よ唐突に…」
「いや、なんでもない!じゃあね、おやすみ!」
はぁ?と聞き返そうとした時には、エレベーターのドアは閉められていた。
美怜め、いい逃げか。
もぉ、なんでもないなら言わないで!
私と美怜も次の駅で降りて改札を通った。
実は、私たちは住んでいるアパートも同じだ。
大学時代から仲が良かった美怜とは、受けている会社も同じだと分かり、お互いに同じ会社に就職出来て、一人暮らしをする時は、一緒のアパートに住もうと約束していたのだ。
五階建ての築七年のアパート。
私が三階で、美怜が五階に住んでいる。
1Kだけど、駅から近くて気に入っている。
一人暮らしには充分だ。
「ねぇ、知花。知花って一ノ瀬さんとは会話、普通に出来るんだね。」
「え?」
「辿々しいのは、そうなんだけど。一生懸命話そうとしてる知花に、ちゃんと耳を傾けているというか、待ってるというか…なんとなく、見守ってるように見えた。」
待ってくれているのはなんとなく分かる。
でも、見守っているってどういう事?
「この前も、さっきも、知花にとって救世主でしょ?」
確かに、言葉の通り。
一ノ瀬さんの存在に救われてばかりだ。
「ごはんの前に、変なヤツらに絡まれたときも!」
アパートに着いて、エレベーターを呼ぶ。
「ピンチを察知して助けるって、相手の事をよく見てなきゃ出来ないことだからね!」
エレベーターに乗り込んで、3階と5階のボタンを押す。
「だから、見守られてるの!分かる?」
エレベーターが3階に着いてドアが開く。
「私、今なんかすごい嬉しいわ!」
「な、何よ唐突に…」
「いや、なんでもない!じゃあね、おやすみ!」
はぁ?と聞き返そうとした時には、エレベーターのドアは閉められていた。
美怜め、いい逃げか。
もぉ、なんでもないなら言わないで!