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この出会いは…
第14章 奇跡的で必然な出逢い
「何言ってるのっ。明日、仕事だし、私、着替えとか…」

「そうだ。知花、これ、着替えね?」

今度は琴莉に遮られた。

「化粧品とかは持ってるでしょ?明日の着替えと下着はこの通勤用のバッグに入ってるから。」

ニコニコしながらバッグを差し出してくる。
出たよ、みんなの悪ふざけ。
こういう時の美怜と琴莉の連携は見事です。

「ほら。」

固まって動かない私にバッグを押し付ける琴莉。

「あっはっはっ。さすが二人とも用意周到だな。」

「タクシーすぐ来るって言ってたから、下で待とうぜ?」

「じゃあ、行きますか。」

「一ノ瀬さん、お邪魔しましたー!」

「「知花をよろしくお願いしまーす!」」

バッグを手に、リビングを出ていこうとするみんなの姿に、ハッとして口を開く。

「待ってくださっ…」

追いかけようとしたけれど、みんなの悪ふざけはシュミレーションも完璧だったのか、あっという間に靴を履いて、玄関の外へ消えていってしまった。

「すごい連携プレイだったね。」

後ろで祐さんがクスクスと笑っている。

「すみませんっ。私も帰りますねっ!!」

祐さんを振り返って謝って、リビングの荷物を取りに行こうと祐さんとすれ違った時、腕を掴まれた。
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