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第14章 奇跡的で必然な出逢い

知らない男の人は今でも少し苦手だ。
つい身構えてしまうのは、私の悪い癖。

でも、祐さんと知り合う前の私と比べると、格段に進歩している。
会社や取引先の男性に頑張って笑顔を作るなんて事はなくなったし、通勤中の電車も恐怖心はだいぶ薄れてきた。
初めから男性というだけで敵視する事はなくなった。

過去の出来事を理解して、軽蔑せずに私の恐怖心や不安に寄り添ってくれた。
好きだと言ってくれた時も、初めてえっちをした時も、祐さんは私の気持ちを尊重して、嫌な顔をせずに待ってくれた。
私が心を開くまで、ずっとずっと。

星さんと滝本さんの存在も私にとってはものすごく重要だったと思う。
会社の先輩たちではあるけれど、会社以外のところでも気を張らずに笑い合える男の人が身近に出来たって事が私の自信になった。
祐さんに抱く感情とはまた違うけれど、美怜や琴莉と同じように大切な存在だと思える。
男性であっても、"こうなりたいな"と思ってしまう程に人として魅力的だった。

祐さんのお兄さんだって、初めこそ勢いにのまれて引いてしまったけれど、よく気が利いて、ムードメーカー役をかって出てくれているのが分かる。
もちろん、祐さんのご両親や翠さん、遥さんもそれぞれ魅力たっぷり。

今私は、私に関わる全ての人を、一人の人間として尊敬出来る。

みんなの存在が私に前を向かせてくれている。