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この出会いは…
第2章 いい兆し
電車を待つ列に列びながら、美怜にLINEを返した。
すぐにまたメッセージが届いて、向かいのコンビニで待っててくれることが分かった。
美怜の優しさに胸が熱くなって、ボーッとしていたら、後ろから名前を呼ばれた。

「ほっ、星さん!」

一瞬、ビクッと身体が固まったが、振り返った先に見えた面識のある顔に、少し安心した。

「お疲れ。今帰り?広報も大変だな。」

という事は、星さんは今まで残業だったんだ。

「あ、いえっ!わ、私は、…今日は広報部の、今期の、うっ、打ち上げで…今ま、で…」

もう!声が上ずる…

「飲んで、いたので……」

ので………、どうしよう。

「ほっ、星さんは、あの、今まで…お仕事だった…んで、すか?」

果たしてちゃんと聞き取れるのか、私の話し方は!
星さん変に思ったかな?
そう思って焦っていたら、『そうだよ』という声と一緒にクスクスという笑い声が聞こえてきた。

「知花ちゃん、テンパりすぎ。お酒でも飲み過ぎた?」

「あ、いえっ…その…すみません。」

「はは、何で謝るの。」

ん?あれ、この会話は…。
一ノ瀬さんといい、星さんといい、私、そんなに謝ってるのかな。
このテンパり癖、なんとかならないものか。

「や、やっぱり、け…経理部は、こっ、この時期、残業が多いんですね。」

「ま、宿命だよね。」

言葉は自虐的だけど、サラッと言って笑った顔は、なんて事ないようにも見えた。
仕事が出来る人のオーラが全開だ。
感心してしまう。
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