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この出会いは…
第2章 いい兆し
「すごい、ですね…」

思わず呟いていた。

「え?」

「あ、いえ、あの…、その…ですね…。いっ一ノ瀬さんが、星さんは仕事人間だって、あの…言っていたんですが…」

「一ノ瀬が?」

「はい。で、あの…、なるほどな、と。もっ、もちろんいい意味で!です。」

星さんが私の言葉に少し首を傾げた。

「きっと、いっ、今のお仕事が好きで、仕事に対する熱意というか、じょ…情熱があって、せっ、責任感も伴ってて…どんなに業務が忙しくても、なっ、なんというか、飄々としているというか…」

ヤバい。また、私はいきなり…
星さんも驚いて固まっている。

「……すみません、私。いきなり、何言ってるんですかね…」

冷静さを取り戻してきたら、恥ずかしさで頭が沸騰してしまいそうだ。

「知花ちゃん…」

「そのっ!つ、つまり…仕事に対する、しっ、姿勢がすごいな、と…」

…………。
ち、沈黙が堪えられない!

「いや、うん。……ありがとう。」

沈黙を破った星さんを見上げたら、少し赤くなった顔で、にっこりと笑ってお礼を言ってくれた。
いきなりの私の暴走に、少し気まずさが後を引いていたが、タイミング良く電車が到着してくれたので、助かった。

電車の中で隣に立っていた星さんが、腕時計を見ながら話し掛けてきた。

「まだ9時とはいえ、帰りは大丈夫?家は駅から近いの?」

「は、はい!駅からは…ち、近いので大丈夫です。」

「そう?送って行かなくて、大丈夫?」

「だっ、大丈夫です。ありがとうございます!」
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