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この出会いは…
第2章 いい兆し
仕事着から少しラフな格好に着替えた美怜を見つけて、私は安心した。

「ごめんね。美怜も危ないのに…」

「何言ってんの、帰るよ!」

美怜が歩き出したので、追いかけて横に並んで歩く。
『ハーゲン◯ッツの期間限定味をゲットした』と楽しそうに話す美怜が可愛い。

「そう言えば、今、電車で星さんと一緒だったよ。」

美怜の顔がぱぁっと明るくなる。

「私たちが同じアパートだって知ってたり…、よく連絡取ってるの?」

「そんなことないよ。何回かメールをしたぐらい、かな。星さんてさ、掴み所がないというか…本心が分かりづらいんだよね。」

一ノ瀬さん曰く、外面人間らしいからね…
美怜も相当な外面人間だけど、そんな美怜が攻めあぐねるくらいだから、星さん恐るべし。

ただ、仕事人間で、恋愛に興味なしの星さんが、美怜とメールのやり取りに応じているんだ。
しかも、こんな期末月の繁忙期に。
美怜が無下に扱われていないことに安心した。

「ホントに今回は慎重だね。」

「うん。自分でも不思議。…ねぇ、そんなに分かりやすい?琴莉や一ノ瀬さんまで…」

美怜、顔が真っ赤だ。

「星さんも気付いてる、とか…ない、よ、ね?」

うーん、どうなんだろう。
私の恋愛経験値ではなんとも…
加えて、相手は相当な外面人間ときた。

「でも、さっきまで話してた感じでは、気付いてないんじゃないかな…」

外面か…
お互いが隠している本音を早くぶつけ合える関係になればいいな。
星さんだって仕事が忙しいときに、興味のない人とはメールなんてしないだろう。
きっとこれは、いい兆し。

アパートに着いてからも、美怜の星さんトークは終わることがなく、結局その日、私は美怜の部屋に泊まった。
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