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この出会いは…
第2章 いい兆し
「それで、一ノ瀬さんも気を遣って一緒に隠れてくれたの。」

「うん。」

「……でっ!その時に今朝の琴莉の話になって、今も待ち合わせしてることを話したの!」

美怜のあまりにも静かな相槌に怖くなって、最後の方はほとんど早口で叫んでいた。

「それだけ!」

「あっはっはっ、『それだけ!』って。」

突然、美怜が笑い出した。

「っていうか、なんとなく人の気配して、知花かなと気付いてました!」

なっ!なんですと!?
『一ノ瀬さんまでいるとは思わなかったけど〜』と言いながら、まだ笑っている。

「知花なりに気を遣ってくれたんだよね?ありがとう。お陰で星さんと話せたわ!」

そんな、はにかまれては文句も言えまい。
何を話してたのかみっちり聞くことで許そうかな。
しかし、琴莉を待ってる間、こちらが聞くまでもなく、美怜は星さんとの事を詳細に話してくれた。
恋愛話で、終始嬉しそうに、恥ずかしそうに話す美怜の姿は久しぶりに見た。
その姿を見て、星さんと上手くいって欲しいと心底思った。


「に、しても遅いね!」

星さんと美怜の話や、私、一ノ瀬さんの話が出尽くした時、美怜が呟いた。

「あの子、抱え込んで人知れず頑張っちゃうところあるからな。」

「うん。琴莉が倒れるのは避けなくちゃね。今、いろいろ参ってるだろうし…」

「滝本さんは先輩だしね!」

美怜が思い出したように付け加えた。
そうか、琴莉は職場でも気まずいのか。
琴莉を思って二人でアレコレ考えていたら、その琴莉本人からLINEが来た。
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