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この出会いは…
第2章 いい兆し
尚も笑う星さんに仕返しとばかり、ニヤリと笑って一ノ瀬さんが美怜に聞いた。

「おい、やめろ!俺はいいって!」

焦って星さんが一ノ瀬さんを止める。

「聞きたいです?」

美怜がフフフと笑って一ノ瀬さんを見る。

「お願い、マジで止めて!自分の事となると耐えられないわっ!」

「お前、卑怯だぞ!」

「フフフ、星さんが泣いちゃうので止めときます。」

星さんがホッとした顔で美怜にお礼を言っている。
一ノ瀬さんは全然納得していないみたいだけど。

「でも…、私、気になる、かも…」

三人があまりにも楽しそうで、思わず呟いていた。

「ちっ、知花ちゃん!」

星さんが再び焦る。
あ、ごめんなさい。終わりかけていた話を…。

「じゃ、知花にだけ!」

楽しそうに笑って、私に近付き、耳打ちした。

『塩顔知的メガネイケメン!』

囁かれた瞬間、顔を見合わせて笑ってしまった。

「そっ、それって、ジャンル?あはははっ、ぴったりかも!」

「でしょ!?」

塩顔!私の思ってたのと一緒じゃないかっ!
秘書室の人たち、観察眼冴えすぎでしょ。

「ちょっ!知花ちゃんまで、笑いすぎ。超気になんじゃん!」

「だったら聞けばいいだろ、素直に。」

星さんが困ったように笑って、一ノ瀬さんが意地悪な顔をして笑っている。

「いや、あの…最大級の誉め言葉でしたよ?」

「だとしても!絶対メガネ括り、だろ?」

「………はい。」

星さんは『やっぱり!』と片手で頭を覆って嘆くように言った。

「で?なんなの、正解は?」

一ノ瀬さんが楽しそうに美怜に聞いた。
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