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この出会いは…
第2章 いい兆し
「フフッ、びっくりした?」

頭上から笑い声が降ってきた。
クスクス笑いながら、頭をポンポンしている。
これは…、からかわれている?

「びっくりなん、て!しっ、してません!」

ただ、顔は真っ赤だ。
その顔もしっかり笑われた。

「もう、からかわないでください!帰ります!」

「ククッ、ごめん。つい…」

つい?ついって?
つい、面白くて?つい、からかいたくなって!?

「つい、…反応がかわいくて。」

「へ?」

「ほら、入って。」

扉を開けた一ノ瀬さんが中に入るように促す。

「じゃあね、おやすみ。」

ニッコリ笑って扉を閉められた。
ちょっと待って、かっ、かわいい…?
かわいいって言った?
えっ?えぇ!!??
どういう意味のかわいいだったのだろう?
社交辞令的な?
小動物がかわいい的な?
どっちにしても、からかわれたんだよね?
だから、慣れてないって言ったのに…
たった一言"かわいい"という言葉の意味が消化出来ません。

「はぁ…もう、寝よう。」

自分自身に呆れて、お風呂場に向かった。
来ている服を投げ込んでいたら、携帯がなった。
着信は美怜からだったが、携帯を見て、一ノ瀬さんに連絡しなくちゃいけないことを思い出した。

ほとんど下着姿になりかけていたけど、とりあえずメールしなきゃとそのまま部屋に戻った。
けれど、なんて送ったらいいのか、なかなか文面を決められなくて、打っては消すを繰り返して、送信するまでにかなりの時間がかかったのは言うまでもない。
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