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この出会いは…
第3章 私の過去
はぁ…今日も混んでいる。
琴莉と駅で別れた後、ホームに滑り込んできた電車を見て、ため息をついた。
プレゼント選びに時間がかかって遅くなってしまった。
さすがに、今日は美怜と一緒に帰るのは無理だったし。
少しずつ以前のように電車が怖くなくなって来ているのは事実だけど、それは隣に美怜がいてくれるからではないかと思う。
男の人全てが、あの時痴漢をした男と同じではないと分かっている。
一ノ瀬さんたちの様な人もいる。
むしろ、そういう人たちがほとんどだ。
卑劣な人になんか負けたくない。
ぎゅっと目を瞑って電車に乗り込んだ。
電車はただ、駅に止まって、発車してを繰り返す。
当たり前の事なんだけど、それ以外は何も起こらない。
電車が何度目かの停車をした時、斜め前に座っていた男の人が私の背中をかすめて降りて行った。
人を掻き分けて出ていく際に、バランスを崩したその人の手が、私の肩をガシッと掴んだ。
その人は慌てて謝ってくれて、そのままホームへ消えていった。
痴漢ではない。わざとではない。
そうと分かっていても、いきなりの事にパニックに陥り、イヤな汗が吹き出てきた。
そして、思い出したくない出来事がフラッシュバックした。
あの時の満員電車に乗っていると錯覚してしまいそうになる。
ダメだ、過呼吸気味になる前に一度降りよう。
そう決めて、電車が次に停まるまで必死に耐えた。
電車の扉が開くと同時に外へ飛び出し、近くのベンチに座った。
既に過呼吸気味になりかけている呼吸。
苦しい。涙が出る。
バッグを両手で抱きしめるようにして持ち、前屈みになって呼吸を整える。
苦しい。悔しい。
琴莉と駅で別れた後、ホームに滑り込んできた電車を見て、ため息をついた。
プレゼント選びに時間がかかって遅くなってしまった。
さすがに、今日は美怜と一緒に帰るのは無理だったし。
少しずつ以前のように電車が怖くなくなって来ているのは事実だけど、それは隣に美怜がいてくれるからではないかと思う。
男の人全てが、あの時痴漢をした男と同じではないと分かっている。
一ノ瀬さんたちの様な人もいる。
むしろ、そういう人たちがほとんどだ。
卑劣な人になんか負けたくない。
ぎゅっと目を瞑って電車に乗り込んだ。
電車はただ、駅に止まって、発車してを繰り返す。
当たり前の事なんだけど、それ以外は何も起こらない。
電車が何度目かの停車をした時、斜め前に座っていた男の人が私の背中をかすめて降りて行った。
人を掻き分けて出ていく際に、バランスを崩したその人の手が、私の肩をガシッと掴んだ。
その人は慌てて謝ってくれて、そのままホームへ消えていった。
痴漢ではない。わざとではない。
そうと分かっていても、いきなりの事にパニックに陥り、イヤな汗が吹き出てきた。
そして、思い出したくない出来事がフラッシュバックした。
あの時の満員電車に乗っていると錯覚してしまいそうになる。
ダメだ、過呼吸気味になる前に一度降りよう。
そう決めて、電車が次に停まるまで必死に耐えた。
電車の扉が開くと同時に外へ飛び出し、近くのベンチに座った。
既に過呼吸気味になりかけている呼吸。
苦しい。涙が出る。
バッグを両手で抱きしめるようにして持ち、前屈みになって呼吸を整える。
苦しい。悔しい。