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この出会いは…
第3章 私の過去
冷や汗が風に当たって、身体が冷え、少しずつ冷静さを取り戻すことが出来た。
私、病気なんじゃないか…
こんな些細なことでパニックになって。
男の人の善意も悪意も、故意か過失かも冷静に判断できなくなるときがある。
このままでは、ますます自分が嫌いになってしまう。

バッグを抱え込んだ両手に力を入れ、背中を丸めて小さくなる。
身体が微かに震えている。
冷や汗と涙で顔がぐちゃぐちゃだ…
まるであの時と同じ…

過呼吸が治まると、いつも直後に大きな倦怠感が襲ってくる。
何本電車を見送っても乗る気にならず、ベンチに座って小さくなったまま時間だけが過ぎた。

「知花ちゃん!」

目の前に歩いてきた人にいきなり話しかけられた。
ボーッとホームを眺めていた私は、突然のことにビクッと身体を震わせて、目の前に立っている人を見て、ハッと我に返った。

「い…、ち、のせ、…さん…?」

あぁ、そうか…。
この駅は一ノ瀬さんが使っている駅、か…

「何があった?顔色が悪い…」

一ノ瀬さんはベンチに座っている私の前に跪いた。
とても心配そうな顔をしている。

「大丈夫?話せる?……話したくない?」

首を横に振ってはみるが、言葉が出てこない。

「知花ちゃん?」

一ノ瀬さんの顔を見ると、涙が止まらない。
心配かけて、ごめんなさい。
また巻き込んで、ごめんなさい。
迷惑ばかりかけて、ごめんなさい。

「ふっ…く、うぅ…。んくっ…」

出るのは嗚咽のみ…
何か、何か言わなきゃ!

「あのっ…、ひっ…く。わた、し、…ごめっ、な、さい。」

「うん、大丈夫。待つから。」

一ノ瀬さんが私の横に座り直して答える。
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