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この出会いは…
第3章 私の過去
頭、撫でられてる。
でも、今はなぜかビクビクしなかった。
身体がダルくて、それどころじゃなかったのか。
過呼吸が長かった分、襲ってきた倦怠感も大きかった。
「とりあえず、移動できそう?」
「え?」
「このままここに居ても寒くなってくるし。」
「いっ、いえ。私、もう少し落ち着いたら、電車に乗りますので…」
私の言葉に一ノ瀬さんが怪訝そうな顔をした。
「なので…、あの。いつもいつもご迷惑をお掛けして、すみません。あの…、ホントに、だっ、大丈夫ですので、一ノ瀬さんはここで…」
「そういう訳にはいかないでしょ。」
「えっあの…?ど…して、です…」
「第一、顔色が悪すぎる。」
いつもの優しい口調と違う、少し諌めるような口調。
そんな一ノ瀬さんに戸惑ってしまう。
「あの、…ごめんなさい。」
「いや、ごめん。言い方がキツかった。」
一ノ瀬さんが謝りながら口に手を当てている。
「ただ、このまま電車で帰るのはやめた方がいい。ちゃんと落ち着くまで待って、タクシーで帰ろう?」
そんな事を言われたら、もう何も言えない。
「はい。歩ける?」
目の前に差し出された手を見て、固まった。
手を…繋ぐって、こと?
一ノ瀬さんの手を凝視しながら、ゆっくり自分の手を動かす。
心臓がバクバクうるさい。
そっと手を合わせて、その手を辿って一ノ瀬さんを見上げた。
「よし、行くよ。」
ニッコリと笑って、手を握り返してきた。
手を、繋いでる…
やっぱり怖くないし、不思議な感じがした。
でも、今はなぜかビクビクしなかった。
身体がダルくて、それどころじゃなかったのか。
過呼吸が長かった分、襲ってきた倦怠感も大きかった。
「とりあえず、移動できそう?」
「え?」
「このままここに居ても寒くなってくるし。」
「いっ、いえ。私、もう少し落ち着いたら、電車に乗りますので…」
私の言葉に一ノ瀬さんが怪訝そうな顔をした。
「なので…、あの。いつもいつもご迷惑をお掛けして、すみません。あの…、ホントに、だっ、大丈夫ですので、一ノ瀬さんはここで…」
「そういう訳にはいかないでしょ。」
「えっあの…?ど…して、です…」
「第一、顔色が悪すぎる。」
いつもの優しい口調と違う、少し諌めるような口調。
そんな一ノ瀬さんに戸惑ってしまう。
「あの、…ごめんなさい。」
「いや、ごめん。言い方がキツかった。」
一ノ瀬さんが謝りながら口に手を当てている。
「ただ、このまま電車で帰るのはやめた方がいい。ちゃんと落ち着くまで待って、タクシーで帰ろう?」
そんな事を言われたら、もう何も言えない。
「はい。歩ける?」
目の前に差し出された手を見て、固まった。
手を…繋ぐって、こと?
一ノ瀬さんの手を凝視しながら、ゆっくり自分の手を動かす。
心臓がバクバクうるさい。
そっと手を合わせて、その手を辿って一ノ瀬さんを見上げた。
「よし、行くよ。」
ニッコリと笑って、手を握り返してきた。
手を、繋いでる…
やっぱり怖くないし、不思議な感じがした。