この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
この出会いは…
第3章 私の過去
頭、撫でられてる。
でも、今はなぜかビクビクしなかった。
身体がダルくて、それどころじゃなかったのか。
過呼吸が長かった分、襲ってきた倦怠感も大きかった。

「とりあえず、移動できそう?」

「え?」

「このままここに居ても寒くなってくるし。」

「いっ、いえ。私、もう少し落ち着いたら、電車に乗りますので…」

私の言葉に一ノ瀬さんが怪訝そうな顔をした。

「なので…、あの。いつもいつもご迷惑をお掛けして、すみません。あの…、ホントに、だっ、大丈夫ですので、一ノ瀬さんはここで…」

「そういう訳にはいかないでしょ。」

「えっあの…?ど…して、です…」

「第一、顔色が悪すぎる。」

いつもの優しい口調と違う、少し諌めるような口調。
そんな一ノ瀬さんに戸惑ってしまう。

「あの、…ごめんなさい。」

「いや、ごめん。言い方がキツかった。」

一ノ瀬さんが謝りながら口に手を当てている。

「ただ、このまま電車で帰るのはやめた方がいい。ちゃんと落ち着くまで待って、タクシーで帰ろう?」

そんな事を言われたら、もう何も言えない。

「はい。歩ける?」

目の前に差し出された手を見て、固まった。
手を…繋ぐって、こと?
一ノ瀬さんの手を凝視しながら、ゆっくり自分の手を動かす。
心臓がバクバクうるさい。
そっと手を合わせて、その手を辿って一ノ瀬さんを見上げた。

「よし、行くよ。」

ニッコリと笑って、手を握り返してきた。
手を、繋いでる…
やっぱり怖くないし、不思議な感じがした。
/459ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ