この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この出会いは…
第3章 私の過去
祐side↓
目の前の知花ちゃんは、青ざめた顔で、目をきつく瞑り、耳を塞いで蹲っている。
『やだ』と『やめて』を繰り返して、身体を硬直させながら、震えている。
少し前に過呼吸になった時よりも酷い気がする。
顔を上げた彼女の顔は、目が虚ろで、何を見て、何に怯えているのかが、全く分からなかった。
肩を掴んで、揺さぶって名前を呼ぶと、俺と目が合った。
口を次いで出た言葉は『助けて』だった。
一瞬にして、血の気が引いた。
知花ちゃんがこのままいなくなってしまうような気がしたから。
考えるよりも先に、彼女を腕の中に抱き締めていた。
「知花ちゃん、呼吸は苦しくない?もう大丈夫。俺は何もしない。ここにいるだけ。落ち着くまで待ってるから。ね?」
聞こえてくるのは嗚咽だけ。
彼女は何と戦っているのだろう。
身体を震わせながら、何かに必死に耐えている。
なんとなく、男が苦手になった理由もその辺りにあるのではないだろうか。
彼女を抱き締めながら、拒絶されなかったことに安堵し、背中をさすって、そんな事を考えていた。
『知花!?大丈夫?一ノ瀬さん!?聞こえてますか!?』
美怜ちゃんの悲鳴に近い声で、思い出した。
そういえば、通話中だった。
自分のバッグに投げ込んでいた知花ちゃんの携帯を取り出して、美怜ちゃんに話しかける。
「美怜ちゃん?ごめん、俺も焦って…」
『一ノ瀬さん!知花は!?』
「…おそらく、このまま落ち着くと思う。」
電話の向こうで美怜ちゃんが安堵のため息をつく。
目の前の知花ちゃんは、青ざめた顔で、目をきつく瞑り、耳を塞いで蹲っている。
『やだ』と『やめて』を繰り返して、身体を硬直させながら、震えている。
少し前に過呼吸になった時よりも酷い気がする。
顔を上げた彼女の顔は、目が虚ろで、何を見て、何に怯えているのかが、全く分からなかった。
肩を掴んで、揺さぶって名前を呼ぶと、俺と目が合った。
口を次いで出た言葉は『助けて』だった。
一瞬にして、血の気が引いた。
知花ちゃんがこのままいなくなってしまうような気がしたから。
考えるよりも先に、彼女を腕の中に抱き締めていた。
「知花ちゃん、呼吸は苦しくない?もう大丈夫。俺は何もしない。ここにいるだけ。落ち着くまで待ってるから。ね?」
聞こえてくるのは嗚咽だけ。
彼女は何と戦っているのだろう。
身体を震わせながら、何かに必死に耐えている。
なんとなく、男が苦手になった理由もその辺りにあるのではないだろうか。
彼女を抱き締めながら、拒絶されなかったことに安堵し、背中をさすって、そんな事を考えていた。
『知花!?大丈夫?一ノ瀬さん!?聞こえてますか!?』
美怜ちゃんの悲鳴に近い声で、思い出した。
そういえば、通話中だった。
自分のバッグに投げ込んでいた知花ちゃんの携帯を取り出して、美怜ちゃんに話しかける。
「美怜ちゃん?ごめん、俺も焦って…」
『一ノ瀬さん!知花は!?』
「…おそらく、このまま落ち着くと思う。」
電話の向こうで美怜ちゃんが安堵のため息をつく。