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この出会いは…
第3章 私の過去
『一ノ瀬さん、ありがとうございます。知花が落ち着く様なら、そのまま帰って来れそうですか?』
「あぁ、大丈夫。もう少し落ち着いたらタクシーで送るよ。」
『もし、また取り乱したり、発作が始まったりしたら、教えてください。私がそちらに向かいます。』
「え?いや、美怜ちゃんも危ないよ?」
そういっても『お願いします』と言うばかりだった。
それ以上踏み込んでいいものか分からず、『分かった』とだけ伝えた。
「み、れい…?」
携帯から漏れる声に、知花ちゃんが反応した。
「うん。美怜ちゃんと話す?」
携帯を差し出すと、おずおずと手を出して受け取った。
一つ一つの動作がまだ弱々しい。
「美怜ぃ…」
知花ちゃんはポツンと美怜ちゃんの名前を呼ぶと、またしゃくり上げるように泣き出した。
『知花、大丈夫だよ。落ち着いて。一ノ瀬さんも居てくれてるんでしょ?一人じゃないよ。私も知花が帰って来るまで待ってる。だから、帰って来れるね?』
美怜ちゃんも少し落ち着いたみたいで、優しく言い聞かせるような口調に変わっていた。
『大丈夫。一ノ瀬さんは"あの人"とは違うよ。今、周りにいる他の男の人たちも"あの人"とは違う。』
"あの人"…?
誰の事か、なんの事か全く分からず、ただ、美怜ちゃんの話に耳を傾ける。
「美怜…わた、し、…」
『うん。私も心配だから、早く帰って来て?ね?』
「……うん。」
『一ノ瀬さんと帰って来れるね?一ノ瀬さんは"救世主"って言ったでしょ?』
静かに言い聞かせる口調から、少し笑っているような口調に変わった。
"救世主"?俺…が?
もう全く話が分からず、ただただ知花ちゃんの様子を見守っていた。
「あぁ、大丈夫。もう少し落ち着いたらタクシーで送るよ。」
『もし、また取り乱したり、発作が始まったりしたら、教えてください。私がそちらに向かいます。』
「え?いや、美怜ちゃんも危ないよ?」
そういっても『お願いします』と言うばかりだった。
それ以上踏み込んでいいものか分からず、『分かった』とだけ伝えた。
「み、れい…?」
携帯から漏れる声に、知花ちゃんが反応した。
「うん。美怜ちゃんと話す?」
携帯を差し出すと、おずおずと手を出して受け取った。
一つ一つの動作がまだ弱々しい。
「美怜ぃ…」
知花ちゃんはポツンと美怜ちゃんの名前を呼ぶと、またしゃくり上げるように泣き出した。
『知花、大丈夫だよ。落ち着いて。一ノ瀬さんも居てくれてるんでしょ?一人じゃないよ。私も知花が帰って来るまで待ってる。だから、帰って来れるね?』
美怜ちゃんも少し落ち着いたみたいで、優しく言い聞かせるような口調に変わっていた。
『大丈夫。一ノ瀬さんは"あの人"とは違うよ。今、周りにいる他の男の人たちも"あの人"とは違う。』
"あの人"…?
誰の事か、なんの事か全く分からず、ただ、美怜ちゃんの話に耳を傾ける。
「美怜…わた、し、…」
『うん。私も心配だから、早く帰って来て?ね?』
「……うん。」
『一ノ瀬さんと帰って来れるね?一ノ瀬さんは"救世主"って言ったでしょ?』
静かに言い聞かせる口調から、少し笑っているような口調に変わった。
"救世主"?俺…が?
もう全く話が分からず、ただただ知花ちゃんの様子を見守っていた。