この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
この出会いは…
第3章 私の過去
『一ノ瀬さん、ありがとうございます。知花が落ち着く様なら、そのまま帰って来れそうですか?』

「あぁ、大丈夫。もう少し落ち着いたらタクシーで送るよ。」

『もし、また取り乱したり、発作が始まったりしたら、教えてください。私がそちらに向かいます。』

「え?いや、美怜ちゃんも危ないよ?」

そういっても『お願いします』と言うばかりだった。
それ以上踏み込んでいいものか分からず、『分かった』とだけ伝えた。

「み、れい…?」

携帯から漏れる声に、知花ちゃんが反応した。

「うん。美怜ちゃんと話す?」

携帯を差し出すと、おずおずと手を出して受け取った。
一つ一つの動作がまだ弱々しい。

「美怜ぃ…」

知花ちゃんはポツンと美怜ちゃんの名前を呼ぶと、またしゃくり上げるように泣き出した。

『知花、大丈夫だよ。落ち着いて。一ノ瀬さんも居てくれてるんでしょ?一人じゃないよ。私も知花が帰って来るまで待ってる。だから、帰って来れるね?』

美怜ちゃんも少し落ち着いたみたいで、優しく言い聞かせるような口調に変わっていた。

『大丈夫。一ノ瀬さんは"あの人"とは違うよ。今、周りにいる他の男の人たちも"あの人"とは違う。』

"あの人"…?
誰の事か、なんの事か全く分からず、ただ、美怜ちゃんの話に耳を傾ける。

「美怜…わた、し、…」

『うん。私も心配だから、早く帰って来て?ね?』

「……うん。」

『一ノ瀬さんと帰って来れるね?一ノ瀬さんは"救世主"って言ったでしょ?』

静かに言い聞かせる口調から、少し笑っているような口調に変わった。
"救世主"?俺…が?
もう全く話が分からず、ただただ知花ちゃんの様子を見守っていた。
/459ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ