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自己負担。
第11章 明という人

私はアキの話を聞きながら
また好きな人が私だけを見てくれない辛さを味わうのではないかと怖くなった。

アキも先輩と同じ?

また前と同じ思いをするなら、
今度こそ逃げ出してしまうかもしれない。
それでもアキと一緒にいたいと思えるのだろうか?

「でもアイツと俺の違うところと言ったら、
夢乃の思いは俺にないってことだ。」

アキはやっぱり夢乃先輩が好きなんだ。
それに気づいた瞬間私はまたアキの目を見れなくなってしまった。


「俺は
自分は夢乃が好きなんだって思ってたよ。
葉月と出会った時も同じ境遇のお前をほっとけなくて、
それでも葉月といながら心ではアイツへの憎しみと夢乃を救いたいという感情があった。


だめだ。我慢して。
ここで泣いたらアキの本心は聞けない。
それでもこんな話、辛すぎる。

「でもそれが違うって気づいたのは、
夢乃からお前とアイツが学校でヤってるのを見たって泣きながら訴えてきたときだった。

夢乃からは
随分前から俺には思いを返せないこともアイツを忘れられないことも聞いてて。
泣いている時点でまあ俺のことなんてこれっぽっちも男としてみられてないんだって思ったよ。
俺がどれほどそばにいても夢乃の頭にはアイツのことしかないんだって。

でもそれを知っても自然と傷つかなかった。


夢乃先輩は、そこまでして先輩のことが好きなんだ。
だからあんな状況を目撃しても、それでも好きだから、体を重ねていた相手が私であっても
私に怒ったりすることはないんだ。

その強さはきっと私にはない。





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