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自己負担。
第7章 彼の移り香


アキの家を出た瞬間スッと冷たい風が吹き抜けた。寒気がして体を抱きすくめると、
自分の体からアキの香水の香りがするのに気づく。

なんで。
なんでわたしなんだろう。

アキがどうしてこんなにわたしにかまうのか、
妹に似ているって言ったって普通ここまでする?

アキに対する疑問はずっとまとわりついて消えないけれどそれをあえて口にすることもなかった。



アキの家に行った次の日から
彼は放課後毎日わたしを迎えにくるようになった。

いつか先輩と帰った放課後の帰り道を、
一人で歩かなくて済むだけで心がだいぶ軽くなる。

数日アキと過ごして気づいたことは
アキはわたしの全てをわかっているように話す。それがなぜか本当に当たってて、なにも説明しなくても私を理解してくれるような心地よさに、
無意識に先輩のことを忘れられた。

「葉月ー!アキくん迎えきてるよ!」

「え、もう!?優華ありがと!!
じゃあね!」

アキとわたしのことを知っているのは優華だけ。
きっと先輩は、わたしに自分以外の男の影があることなんて気にもしないだろう。




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