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自己負担。
第7章 彼の移り香



校門の前で待ってるアキに声をかけると、
自分の教室の窓からなんとなく視線を感じる。

それが神村くんだってことは見なくてもだいたいわかる。

優華に言われて気づいたけど、
アキと帰るようになってから毎日神村くんは窓から私たちを見ている。

神村くんとはあの日以来口を聞いていない。

わたしが一方的に避け続けているのだ。

神村くんと会うと先輩に断られるたびに泣いていた惨めな自分を思い出すから。



「ねえ、アキ」

「な〜に?」

「ジェラート食べたい。」

「ははは、おととい食べたじゃん。
ほんと葉月甘いもんに目ないよな〜。
いいよ、いくか。」

アキはあの日のようにくしゃっと微笑むとおかしそうに声を出して笑って、そっとわたしの頭を撫でた。



どうしてアキは。
こんなにもわたしの心を満たすんだろう。

つい最近までは
小さなことであんなに気が狂いそうになるほど傷ついていたのに。

もしかしたらアキといれば先輩を忘れられる日が来るのかもしれない…

そんな希望さえ感じていた。


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