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自己負担。
第8章 波乱の幕開け
校門に来てみても、アキの姿は見えない。
この時間ならいつも来てるのに。
どこか不自然さを感じながらあたりを見回すと、アキに似ている後ろ姿が体育館裏に消えていくのが見えた。
まさかね?
少しの胸騒ぎを覚えながらゆっくりと近づく。
アキ、軽そうに見えるけど容姿はいいからな。
毎日わたしを待っているのをみてアキに気を持つ子がいてもおかしくない。
ゆっくりと近づいて陰から覗く。
「…っ!!!!!」
待って。待って。
確かにそこにいたのはアキだった。
でも。
異常なくらい早まる心拍数。
大きな音を立てて高鳴る心臓。
わたしは必死に同様を抑えながら二人の会話に耳を澄ます。
「…もうやめて。こんなの誰も幸せになれない。」
「それでも俺は…!!!」
「もう本当に苦しいの…」
「…ゆめ…の…」
アキは顔を悔しそうに歪めると、夢乃先輩を掻き抱いて無理やりキスをした。
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