この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
自己負担。
第8章 波乱の幕開け
「葉月、目はさめた?」
「はい。すみませんでした。
あの、なんでわたしここに…?」
「覚えてない?ってか本当にひどい顔。」
先輩は私の腫れた瞼を親指でさすると、
「死んだような顔してたから店入ったんだけど、
そのまま泣き疲れて突っ伏して寝ちゃったんだよ。
全く起きないからそのままうちに連れて帰ってきた。」
お店?先輩に手を引かれて歩いていたところから記憶が曖昧だ。
昨日ねれなかったから、そのせいかな。
「…ありがとうございます…」
先輩はじっと私の目をみて話はじめた。
「…葉月がここ最近新しい男作ろうとしてたのはわかってた。
今日の涙の原因もその彼だろ?」
胸がズキっと痛む。アキのこと、知ってたんだ。
「……男…彼氏では…ないですけど」
「葉月が離れてって、夢乃だけを愛そうと思った。必死に向き合ってみたけど、
違ったんだよ。
葉月が持ってるものは夢乃にはなかった。」
「でも、私になくて夢乃先輩にはあるものもあります」
外見の美しさだけでなく、心も美しい。
誰もを惹きつける力。
アキも夢乃先輩のそういうところに惹かれたのかな?
夢乃先輩に悪気はないと思うけど、
それでわたしみたいに傷ついている人間もいるんだから。
.