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自己負担。
第9章 逃げられない思い

放課後になって、私はぼんやりと窓の外を見ながら先輩を待っていた。
付き合っていたときのような待ちどうしさや、楽しみはない。

そろそろかな、と立ち上がると校門に見慣れた姿がみえる。



アキ……


そうか、夢乃先輩が終わる時間に合わせてきてるんだ。
見るんじゃなかった。
私はしゃがんで思わず身を隠す。
アキが私の教室側に背を向けたのを確認すると、急いで教室を出た。

2人の関係性なんてわからない。
先輩はまだ夢乃先輩とは別れていないはずだ。

それならどうして?

アキは私の傷ついた心を癒してくれたように、
夢乃先輩のことも癒してあげてるの?
アキは誰でも良かったのかな?

最近泣いてばかりで涙腺が弱くなっているせいか、すでに目には涙が滲んでいた。

「葉月、また泣いてんの?」

「…あ…先輩…おつかれさまです」

部活が終わった先輩と下駄箱で合流した。
先輩は靴を履き終わるとさっと私の手を握った。

「帰るぞ」

「…はい…」

この強引さが好きだったんだ。
人目を気にせず掴まれる手が嬉しくて。
あの時の胸のときめきはもうない。

校門をみるとアキの姿はなくなっていた。
それを確認して、胸をなで下ろす。
2人で帰っているのを実際にこの目で見てしまったら平常心で居られる自信がなかった。



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