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自己負担。
第9章 逃げられない思い
先輩と手をつないで校門を出る。
私たちが最後のようで、
他の生徒は1人も見られない。
「最後になっちゃったね」
「うん…もう放課後は危ないからやめましょうね?」
「えー?スリルあっていいと思うんだけどなあ…葉月すごい感じてたし!」
終わったあとの先輩はいつも優しい。
話し方とか、表情とか、あとは道路側を歩いてくれる。
こんなに尽くされていても、思いを返せないのは本当に辛い。
しばらく歩いていると、
前をゆっくりと歩く男女の姿が見えた。
顔は見えないけど、あれは多分アキと夢乃先輩だ。
思わずさっと目をそらし立ち止まる。
どうして。
部活が終わってからかなり時間が経っているのに、かち合うなんておかしい。
先輩はわたしが立ち止まったのに気づいて不思議そうに頭をかしげる。
「葉月?どうした?」
黙って歩いてきた道を戻ろうとすると、先輩は前を歩く2人の存在に気づいた。
「…ゆめの?
なんであいつっ……
ごめん、ちょっと葉月ここで待ってて。」
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