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自己負担。
第9章 逃げられない思い

え?

先輩、何考えてるの?


先輩は簡単にわたしの手を離すと、
先にいる夢乃先輩の方向へ歩き出した。

2人はまだ私達の存在には気づいていない。


待ってて、なんて無理に決まってる。
今ここで待ってアキに会うことになってしまったら、私の閉じ込めた思いがまた溢れ出す。


先輩と付き合い始めて一週間足らずで、
先輩を好きになるなんてことは不可能だった。

心を閉じ込めていても私はやっぱりアキが好きで、
こんな自分の姿を見られたくなくて、
先輩とは反対方向に走り出した。

それに気づいた先輩が大声で私を呼ぶ。

「葉月!??おい!待てよ!」

その声が周囲に響き渡って、
アキと夢乃先輩にも届いたのか2人が振り返る。

「直斗!??」

夢乃先輩が先輩の名前を呼ぶ声が耳に入ったあとは
もう何も聞こえなかった。

誰かがわたしを呼ぶ声がするけど、
振り向くのが怖い。


先輩に簡単に手を離されたのをみて、
なぜか裏切られたような気持ちになった。

結局先輩も私の元から離れて行ってしまうんじゃないかって、
信じようとしていた心がまた離れていく。


ああ…

また1人になるのかな。

アキにも先輩にも必要とされない私は、
なにを信じて生きていけばいいんだろう。


他の人の視線も気にせずに
私は家まで無我夢中で走った。



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