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LOVE SCENE
第1章 春はそこまで
「…うん、ちゃんとやってるよ」
引越を心配した母からの電話に適当な相づちを打って、「じゃあね」と切ろうとすると春海さんに代われと言う。
ええ?
「…電話、代わってだって」
そう言ってスマホを渡すと、
「はい、代わりました。柏木です。先日は…」
春海さんの声は緊張が混じって少し固い。
「…はい。…はい。…え?」
何を話しているんだろう。気になる。
「あ、仕事用のYシャツは…Lサイズです。…はい、首回り? あー、42だったかと…はい」
不思議そうな顔つきで俺にスマホを返してきた春海さんの顔。
「あ、優真? 今日ね、宅配届くと思うから」
言ってるそばからインターホンが鳴った。
「あ、来たみたいだけど、なに?」