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LOVE SCENE
第2章 シアワセ職人
今日の予約状況と講習会の日程、店販の新製品について、それからええと…。
店長からの話の内容が頭に入ってこないほど、私は彼に恋をしていた。
「ミトちゃん、ちょっと」
朝礼が終わり、各自開店の準備に入ろうと動き出した所で店長に呼ばれた。
「ミトちゃんさ、モデルでの練習、もう少し増やさないとダメだよ」
「…はい」
「人頭いじらないと巧くなれないのは分かってるよね?」
「…はい」
「誰でもいいから引っ張ってきて練習しないと、ね。窓拭きばっか頑張ってる場合じゃないよ」
今朝の朝礼で上の空だったのがバレバレだ…。
「…はい、すみません」
毎朝店の前を通る彼にひとめぼれしたのはついこの春のことで。