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戦国ラブドール
第2章 狂宴
長浜城は、水に囲まれた城だった。水門から直接船を寄せられるため、資源も情報も豊かである。村では見た事のない鮮やかな色の着物に、姉妹は声も出なかった。
姉妹は侍女に指示されるまま着替えを済ませ、小部屋で待たされる。その間、小夜は着飾った大海を目を輝かせて見つめていた。
「お姉ちゃん、綺麗……ねぇ、こんな綺麗な格好出来るなら、ここも悪くないかもしれないね」
赤髪に映える黒の着物は、大海にとっては重く動きにくいだけである。だが大海と違い、赤地に金を散りばめた豪奢な着物に身を包んだ小夜は、女の性か心を踊らせていた。だが、小夜はこの宴で自分が何を求められているか理解していない。大海に比べ上等な着物を渡された小夜が、誰を相手に宴の夜を過ごさねばならないのかも。
「小夜……辛い事があっても、あんまり泣いちゃだめだよ。大人しくしていれば、すぐに終わる。下手に逆らわず、言われた通りにするんだよ」
「大丈夫よ。お酌くらいなら、わたしも出来るもの」
「あたしはずっとついていてあげられないと思うけど、本当に泣かないで大丈夫かい?」