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戦国ラブドール
第2章 狂宴
大海と離れる事は想定していなかったのか、浮いていた表情は一気に曇る。だが大海が慰めようとしたその時、二人は侍女に呼ばれてしまった。
せめて、引き離される前まではと、大海は小夜と手を繋いで廊下へと出て行く。宴という名の絶望は、遠くからも賑やかな声を上げていた。
二人が案内されたのは、宴もたけなわの大部屋だった。酒に溺れる武士達に、おそらくは姉妹と同じように集められた女達がしなだれかかっている。部屋に響く笑い声は陽気なようで、姉妹が感じた事のない淫靡なものだった。
「おお、二人とも来たか! さあ、座れ」
秀吉は両隣を指差し、姉妹に呼び掛ける。右に大海、左に小夜が座れば、秀吉は二人の肩を抱き武士達へ鼻高々に自慢を始めた。
「この姉妹は、今回一番の収穫だ。大海と小夜といってな、まるで三国志の二喬のようだろう? 思わぬ掘り出し物だった」
武士達は笑いながら、秀吉に同意し頷く。肩に回された手は背中の筋をついとなぞり、尻へと回っていた。
「小夜、ほら、酌を頼む」
「は、はい」
小夜の声はか細く震えている。大海は、怯える妹相手になにも出来ない自分が情けなかった。