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戦国ラブドール
第7章 はじめての共同作業
話を振られて、真っ先に口を開いたのは市松。先程虎之助に止められたせいか、拳を握り力説を始めた。
「俺も反対です! 諍いの種になるってんなら、虎之助の嫁になればいいんです。高虎さんが出る幕じゃあないでしょう」
「市松は、虎之助に彼女を譲れるのか?」
「親友の幸せを祈るのが、男ってもんでしょう! 虎之助がようやく生身の女に興味を持ったんです、俺は温かく見守りますよ」
虎之助と大海は恋仲でないのだが、市松はずっと勘違いを続けている。頼もしいのは大海にとっても有り難いが、高虎だろうが虎之助だろうが、引き取られるのは想定外。引きずられて頷かないよう、大海は気を引き締めた。
「じゃあ市松、虎之助ではなく佐吉に彼女を渡すと言ったらどうする?」
「はあ!? なんであんな陰険野郎にやらなきゃならないんですか! 断固反対、ぶっ飛ばして返してもらいます!」
「それでは虎之助にも渡せないな。子飼いの皆が仲良くなる事、それが兄上の目的だ。お前達が仲良くやっていけると証明しない限り、彼女は毒だ」
「それはっ……でも!」