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戦国ラブドール
第7章 はじめての共同作業
「んだと……薬屋の息子にゃ分からないかもしれないがな、高虎さんはてめぇの細々した功績なんざ、一薙ぎで振り払うくらいすげぇ人なんだよ!」
「薬屋の息子……!? 今の話に、生まれが関係ありますか? 代々武士でなければ認められないなら、秀吉様はなんなんですか。今すぐ謝罪しなさい!」
「秀吉様と自分を一緒にするんじゃねぇよ! そんな傲慢な考えをしてるから、揶揄されんだろうが!」
二人の言い争いは激しくなっていき、とうとう虎之助は行長に掴みかかる。二人とも大柄ではあるが、体格はまるで違う。行長が一方的に暴行されかねない事態に、大海は血の気が引いた。
「ちょっとあんたら、やめなって――」
「お前は黙ってろ!!」
だが口を挟めば、虎之助が一喝する。大海が怯み肩を震わせたその時、部屋の襖が突然開いた。
「話し合いは結構ですが、あなた方はもう一人の当事者をお忘れですよ」
飛んできたのは、大海の知らない落ち着いた声。だがその声は、怒りで周りを見失った虎之助や行長を一瞬で黙らせる。皆が静まったと確認すると、声の持ち主は部屋の中へと足を進めた。