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戦国ラブドール
第7章 はじめての共同作業
やってきたのは、それこそ虎之助が嫌いそうな細身の男性。だが彼は筋肉がなくとも威厳を纏い、自身がただの武士でない事を示していた。
そして彼の後ろについてきたのは、泣きはらしたのか瞳が赤く染まった小夜。小夜は大海を見つけると、戸惑う大海の胸へと飛び込んだ。
「お姉ちゃん! よかった……起きたらいなくなってるから、わたし、心配したんだよ」
「小夜……ごめん。でもどうしてここに? あの人は?」
「ほら、昨日話したでしょう? 素敵な人と会ったって。それが、この半兵衛さん。わたしが困ってたら、今日も助けてくれたの」
「半兵衛……?」
確かによくよく見れば、彼は昨日小夜が話した男の特徴と合致する。すると彼は大海にお辞儀して、笑みを浮かべた。
「初めまして。私は、竹中半兵衛と申します。小夜殿があなたを探していましたので、協力させていただきました」
「あ……ありがとうございます」
「どうやら、あなたも随分お困りのようで。どうです、少しこの場を私に預けてみませんか?」
女性のような外見から半兵衛の年齢は読めないが、漂う雰囲気は秀長と同じ大人のものである。