この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
戦国ラブドール
第7章 はじめての共同作業
ついさっきまで、虎之助と行長が言い争っていたのだ。秀長に反論出来る者は、誰もいなかった。
「罪のない者に処罰を与えるのは不義理、しかし災いを見逃すのも危険だ。彼女は追放を望み、市松は不問を訴えている。高虎は自分が姉を側女として引き取ると言い出し、この有様という訳だ」
「それはこじれにこじれましたね。ですが、原因がはっきりしていれば、問題を解決するのは難しくありません」
「では、半兵衛殿ならどうする?」
「最大の問題は、皆の仲です。彼女を介し仲良くなれるなら、姉妹を城へ残す理由になるでしょう。出来ないのならば、追放もやむを得ません。追放がいいか高虎殿の側女になるかは、無理だとはっきりしてから、個人的に話し合ってください」
「しかし、仲良く出来ないのは明らかだろう?」
「一度も機会を与えられず決めつけられるから、市松達が納得いかず反論するんです。ここは一度、彼らの本気を見せてもらいましょう」
半兵衛は子飼い達の顔を見つめ、笑みを崩さず語る。
「そうですね、せっかく彼女達が近江へやってきたのですから、皆で町中を案内でもしたらいかがでしょう」