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戦国ラブドール
第7章 はじめての共同作業
姉妹を侍女の屋敷まで送り届けると、半兵衛はすぐに戻ろうとする。それを引き止めたのは、大海だった。
「あ、あの……ありがとうございます。半兵衛殿がいなければ、どんな事になってたか。助かりました」
「いえ、あなたは私の友人である小夜殿の姉です。なれば私が助ける理由になるでしょう、当然の事です。礼は、必死にあなたを探していた小夜殿へどうぞ」
「は、はい」
「それと……もし明後日、追放される事になったら、また私を頼ってください。私の家の者に頼んで、村まで送り帰してあげますから」
「いいんですか? あたしはもちろん、小夜だって出会って間もないでしょうに、そんな親切に」
「友になるのに時間が必要ですか? 小夜殿は自分が不安な中、倒れた私を看病してくださいました。そしてそんな彼女が、もっとも敬愛しているのがあなたなんです。こうして話すのも何かの縁、大事にしなければ」
半兵衛の言葉に裏はなく、ただ親切に語っているようである。今度こそ頭を下げて去っていく半兵衛の背中を見つめると、大海の胸に安堵が広がった。