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戦国ラブドール
第8章 紅天狗(べにてんぐ)
「やめ……くっ、ん……」
孫六は途切れ途切れに拒むが、意志に反して下半身が勃ち始める。落ち着こうと深く息を吸えば、淫らな香を余計に取り込み思考が麻痺していった。
孫六が小柄とはいえ、男と女。力に差はあるはずなのに、香がその力を奪う。大海は孫六を押し倒すと着物を剥ぎ、孫六のものを手に取った。
ちょうど孫六の顔の横に、香炉が置かれていた。これが大海をおかしくしている原因だと悟った孫六は、すぐにそれを掴み投げ捨てる。穴の開いた壁から外へと投げ出され、ようやく元を断つ事は出来た。だが充満した空気が、すぐになくなる訳ではなかった。
壁の穴や破った扉から吹き込む風は、今日に限ってのどかである。孫六は大海に呼び掛けるが、強く言葉を発すれば、その分まだ残る空気を吸い込む事となった。
「離せ。こんな事すれば、後悔するのはお前だろう!」
だが、いくら呼び掛けても大海は焦点が合わない。うわごとを呟きながら、孫六自身を口に含んだ。
「くっ、あ……!」
若い性に火がつけば、燃え上がるのは一瞬である。それを堪えようとするのは、あまりに残酷な試練だった。